ポメラニアンの脱毛症(アロペシアX)

アロペシアXという言葉の意味は「原因のわからない脱毛症」という意味ですので、病名というよりも「呼び名」に近いものと言えます。

昔は、「成長ホルモン反応性皮膚症」などとも言われましたし、ポメラニアンの男の子に多いので、「ポメラニアンの壮年性脱毛」などとも呼ばれています。

 

この疾患の正確な病態は判明していませんが、副腎という臓器から分泌される男性ホルモンのバランスが要因になっているとされていることから、

人の「若はげ」(あまりよい言い方ではありませんね(>_<))に近い脱毛症であると予想されています。

 

特徴として、頭より下の体幹部の領域に脱毛が生じますが、足先はあまり脱毛しません。

特に体幹部の毛量が次第に少なくなってきます。

 

その後、だんだんと脱毛がハッキリしてきて、皮膚の表面が見えやすくなってきます。

トリミングでサマーカットにしてから、全く毛が伸びなくなった!と言われる方もいらっしゃいます。

さらに進行すると、皮膚自体もくすみが目立つようになってきます。(色素沈着)

 

ちなみに「アロペシアX」は元気や食欲といった全身状況に変化は見られません。

もし、毛や皮膚以外の症状が生じたなら他の疾患が併発されている可能性が極めて高いので、別途検査が必要です。

 

「治療について」

治療については確立したものは存在しません。

様々なビタミンやサプリメント(メラトニンや酵母抽出物など)を用います。

サプリメントは薬と違い、効果効能を明記できないので、治療において補助的な位置づけになりますが、

使い方によってはスーパーサブになってくれることがあります。

 

医薬品である治療薬として、「トリロスタン」が使用されることもあります。

●治療前の状態●

 

◆治療後の変化◆

当院でも同じ方法で治療してみても、改善する犬と改善に乏しい犬とがいます。

完全に地肌が露出し色素沈着がおこっている犬は改善が乏しい印象をうけますので、早い段階でのアプローチが良い結果がでやすいかもしれません。

 

ただし、犬の皮膚は紫外線に弱いので、肌が露出してしまうほど脱毛が進行している場合には、昼間の外出時には日光から肌を守るため洋服を着せるのも良いと思います。

また、皮膚が過度に乾燥したり、炎症を起こしてしまった場合にはサプリメント(メラトニン)、内服薬(トリロスタンなど)や外用薬(保湿剤など)で治療します。

アロペシアXについても、ご相談下さい。

さいたま市 大宮区 武内どうぶつ病院