「瞬膜腺突出・(瞬膜腺脱出・チェリーアイ)について。

チェリーアイ」と呼ぶ方が一般的かも知れません。瞬膜は、目頭にある白い膜での事で、「第三眼瞼」(3番目のまぶたという意味)と言ったりもします。

普段は、目頭の部分の奥に引っ込んでいますが、瞼を閉じると眼球が後方に引かれ、ちょうどシャッターを閉じるように出てきます。※ ちなみに、犬と猫とでは瞬膜の動きに対する神経的なシステムが若干違っています。

この瞬膜の内側には、「涙を産生する腺」が存在しており、これを「瞬膜腺」と呼びます。

これが様々な理由で露出した状態が「チェリーアイ(瞬膜腺脱出)」です。

多くの場合、炎症を伴っており、露出頻度が長くなるほどますます腫大して元に戻りにくくなります。根本には、この線を内側に固定している結合組織が脆弱化したり断裂をおこしたりして、眼の内側に固定しきれなくなって生じるとされています。

また、瞬膜自身の形態変化(多くは軟骨の変形)により外側に脱出してしまっていることもあります。この場合は「瞬膜反転症・瞬膜外反症」と表現され厳密には区別されます。

また、この疾患に似た状態をおこす病態には、神経疾患や代謝性疾患、感染症(全身性のこともあり)、眼やその周囲の腫瘍や膿瘍、小眼球症などを鑑別しなければなりません。

「チェリーアイ」は、短頭種(シーズやバグちゃんなど)に多い疾患ですが、どの犬種でも生じ得ます。頻度はそう多くないですが、猫ちゃんに起きることもあります。

したがってまずは、十分な身体検査が大切になってきます。

★治療

瞬膜腺突出(チェリーアイ)の治療ですが、抗炎症作用の点眼液で解決することもありますが、多くの場合には手術が必要になることが多いです。

大昔は、この「盛り上がり」事態を切除することが行われていましたが、術後涙の分泌量が低下してしまい、「ドライアイ」となることが多く、推奨されていません。ドライアイと聞くと「程度の軽い眼疾患」をイメージしますが、

犬の場合、のちのち眼を失いかねない基礎疾患となり得る為、軽視できません。

手術方法には、いくつか手技があり代表的なものが「ポケット法」や「アンカー法」で、またそれらの変法もあります。

 

私は、「アンカー法」を用いることが多いのですが、今回は「ポケット法の変法」で実施しましたのでご紹介します。

 

手術直前の様子です。(麻酔をしたところ)ちょうど、写真の右にお鼻があります。左が首です。

眼科手術専用の器具で眼を開いておきます。ちょっと痛々しい感じがしますね。すこしの辛抱です。(※麻酔がかかっていますので、わんちゃんに苦痛はありません。)

白いカーブしたラインは瞬膜の縁のラインです。内部から露出した瞬膜腺が見えます。

鑷子(ピンセット)で軽くつまんでいる所が、瞬膜です。これをポケット法変法で内部に戻していきます。

とても細い縫合糸で縫っていきます。縫合糸が角膜に障害を起こさないように、直接結び目が角膜に触れないように縫合します。

 

◎(術後すぐの写真を撮り忘れてしまいました。すみません)

 

下は術後2週間後の様子です。キレイに元のお顔に戻りました。

「瞬膜腺突出・(瞬膜腺脱出・チェリーアイ)についてもご相談ください。

さいたま市 大宮区 さいたま新都心 見沼 武内どうぶつ病院です。