猫ちゃんのアゴ下の黒い汚れは何?  座瘡(ざそう)/アクネについて

猫のアゴの下に、黒色のゴミの様な汚れがついている事があります。時にはノミの糞に見えることもあるかも知れません。

これは、毛穴に詰まった分泌物や皮膚の汚れが変化したもので「座瘡」ざそう、や「アクネ」と呼ばれているものです。

専門的な表現をすれば、「点状や毛孔に一致する黒色面疱(めんぽう)や隆起性病変」と表現されます。

患部は触っても、なにも出来ていないことが多いですが、時にボコボコとした隆起物が

皮膚に触れることもあります。

これは毛穴周囲に炎症が波及して、毛包(毛穴)の構造状の破壊が起こったために、患部に結節の形成や自壊、出血などが生じたためです。

この状態では、細菌感染や真菌感染が併発していることがあり、「化膿性毛包炎」や「蜂化織炎」となっていることもありますが、多くはありません。

つまりこのような場合は進行した病態です。こうなると、猫は患部を触られるのを嫌がるようになります。

おそらく、不快感や時に痛みを伴うからでしょう。

大切な対処方法ですが、黒い汚れの付着だけならば、さほど気にする必要はありませんが、

お手持ちの動物用シャンプーを薄めたものをコットンに含ませ、拭き取ってあげるとよいでしょう。直前にオリーブオイルを少量付けてなじませてから、行うとより除去しやすくなります。

毛穴の分泌物は、「油性」の成分が多いので「水」ではなじみにくく落ちにくいのが特徴です。

シャンプーは動物用の薬用シャンプーがより効果的です。軽く「のの字」を書くようにクレンジングしてあげるとよいでしょう。

けして、強くこすらないであげてください。刺激が強いと猫ちゃんが嫌がりますし、かえって患部を悪化させてしまいます。

 また、患部が赤みを帯びていたり、ゴツゴツしていたら炎症を伴っている可能性が高いので、かかりつけの動物病院で診察を受けて頂くことをおすすめ致します。

病状にもよりますが、抗生物質の外用や内服の処方が必要になる場合もございます。

原因ですが、病因としての詳細は良く分かっていません。

グルーミングがうまくなされていないことや、毛包角化異常などが背景にあると言われています。

猫はそもそも綺麗好きなので、自分で手を舐めて顔を洗っている姿をよく見ると思います。

もしかしたら、直接舐められないアゴの先端部はうまくお掃除できない部分の為、生じやすいのかもしれません。

猫ちゃんの皮膚疾患についてもご相談ください。さいたま市大宮区 さいたま新都心 見沼区 武内どうぶつ病院です。