柴犬さんのアトピー性皮膚炎(食物アレルギーの場合も!)

犬のアレルギー疾患の代表的疾患に「犬アトピー性皮膚炎」があります。
※ アトピー、アトピー体質、アレルギー(ハウスダスト、食物)アレルギー性皮膚炎など、似たような「言葉」が
ありますが、厳密には少しずつ違う用語です。詳細は省きますが、一言で「アレルギー」や「アトピー」
といっても大変奥が深い疾患であることに間違いありません。

その中でも、柴犬さんのアトピー性皮膚炎は有名?で、体質的な(遺伝要素)を持ち合わせている犬種と言っていいでしょう。

この疾患の治療は必ずしも容易ではなく、お一人ごとのオーダーメイド的な治療をする必要があり、画一的な投薬ではなかなかうまくいきません。

内服薬、外用薬、薬用シャンプー、サプリメントなど患者さんの状態とご家族さまの要因を踏まえて治療を
決定していきます。治療法にも、インターフェロン療法・MMD療法・減感作療法など色々とあり、それぞれに長所と短所があります。

 

★「アレルギーの検査」といわれるものが色々と存在します。当院でもご家族様と相談しながら、「アレルゲン特異的IgE」「リンパ球反応検査」

なども実施しています。
★正直、この疾患を良くしていく上で最も大きな要素は「飼い主様のがんばり」だと痛感します。
「きっと努力は報われる」私はそう感じています。最近では、「アポキル」(オクラシチニブ)というアトピー性皮膚炎の為の飲み薬も発売され、治療の選択肢が増えました。

★体質によるところが多いので、誤解を恐れずに言えば完治することはありません。

でも良好な状態を維持することはできます。これを「プロアクティブ」ケアと言ったりもします。

最近では「スキンケア」の重要性が言われています。

◆当院での例ご紹介します◆


■治療開始前の写真です。全身の赤み、痒みが酷く、頭頂部にも脱毛があります。


治療開始後約2週間の写真です。痒みはかなりとれてきました!! でも、赤みはまだ残っています。頬の赤みは大きく改善しました。(あと少し!)


治療開始後、5週間の写真です。赤みがほぼコントロールできています。ご家族様曰く、今まででの人生で、一番皮膚の調子が良いということでした。私自身も大変うれしく思います。(現在も治療継続中)

 よく似た疾患に、「食物アレルギー」による皮膚症状があります。「アトピー性皮膚炎」とこの「食物アレルギー」は別のものです。

ワンチャンが、どっちなのか、もしくは両方を併せ持っているのか?を常に念頭において診察、治療をしていく必要があります。

時に、若い時には「アトピー性皮膚炎」で合った子が、数年を経て「食物アレルギー」を併発するようになることもあります!!

 

皮膚疾患は、大変奥が深い疾患が多いというのが、私の印象です。

 

 

さいたま市 大宮区 見沼区 さいたま新都心の動物病院 「武内どうぶつ病院」